江戸時代の玲瓏豆腐(氷室豆腐)をつくる!

 8月のAdvanceレッスンは、江戸時代のベストセラー料理書『豆腐百珍』に玲瓏豆腐として紹介されている古くから作られている豆腐料理(菓子)の一つで、甘い寒天の中に絹ごし豆腐が入っている「氷室豆腐」と外郎製の「夏の思い出」をつくりました。

 まずは、「氷室豆腐」。簡単に言うと、食べやすい大きさに切った豆腐を寒天液で包み固めたもの。固めた後、豆腐の大きさに合わせてカットするので寒天からの離水を防ぐ必要があります。以前のBasicレッスン(5月)の際、2種類の寒天をつかって「雨上がり」と「ほうじ茶プリン」を作りましたが、その際寒天の科学の学習をしましたね。寒天を煮溶かし固めると、立体的な網目構造を形成します。網目構造の中には水が充満していて、その水には結合水と自由水があること、自由水は網目構造の内と外を出たり入ったりすること、寒天菓子が離水する理由、離水を防ぐ方法、甘味を押さえる方法など学習しました。今回は、これらを踏まえたうえで寒天液を作り仕上げました。

 味付けしていない豆腐と寒天液の甘さが混ざり合って、程よい甘さとなり思わず「旨い!」と唸るほどです。豆腐の美味しさも大きな要因ですが、思いがけない美味しさです。


 続いて、外郎製の「夏の思い出」。中餡は、青柚子の皮のすりおろしを加えた風味豊かな柚子餡です。夏の海と空、カモメが列をなして飛んでいる姿を表現しました。カモメを置く位置によって景色が変わることを実感していただきました。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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