鬼ザラ糖
9月の渋谷教室では粒餡作りをしましたが、その際にご紹介したのが鬼ざら糖です。鬼ザラ糖の原材料はさとうきび、てんさいで、平均粒径3.7mmと一番大きな粒径の白ザラ糖で、岡常製糖が作っている業務用の白ザラ糖です。多くの和菓子屋さんが製餡などに用いています。私も、和菓子教室で使う餡はこの鬼ざら糖を使って炊き上げていますが、甘味のきれがよく、雑味がなく、小豆そのものの風味を引き立たせることができる砂糖だと思います。砂糖の製造は、さとうきびやてんさいから甘味成分であるショ糖を抽出し不純物(ミネラルなど)を取り除く製造工程を経て、結晶化したものが白ザラ糖、グラニュー糖、上白糖です。結晶化した粒子が大きくなるほど表面積が小さくなり、表面に存在する不純物が少なくなり、雑味がなく素材そのものの風味を引き立たせることができるというわけです。鬼ざら糖の純度(ショ糖の含有量)は、99.9%以上ですが、もちろん比較的純度の高いグラニュー糖(99%)でもすっきりした味わいの餡ができます。鬼ザラ糖は、一般には手に入れにくいと思いますので、ご希望の会員様には、1kgからお譲りいたします。
鬼ザラ糖やグラニュー糖ではなく、お好みの砂糖で餡を作っても全く問題ではありません。それぞれの砂糖の風味が異なる餡もそれはそれで美味しいものだと思います。でも皆さん、「茶色い砂糖=甘さが控えめで健康的」とか、「茶色いから良、白いから悪」などと思っていませんか?それは、間違いです。グラニュー糖などの結晶と分離した蜜には、まだショ糖分がたくさん残されています。糖液を煮詰めるときには加熱をしていますが、糖液を加熱するとカラメル化反応が起こり、糖液にカラメル色素が含まれてゆきます。このカラメルが三温糖や中ザラ糖の色となるのです。 三温糖は三回(以上)温める(加熱する)ことで作られるので、三温糖と呼ばれるようになったそうです。粗焚糖や赤糖などの主な製造法は原料糖を溶かし、ろ過した後、糖液に蜜を加え煮詰めていき冷やしつつかき混ぜて水分を飛ばしてゆきます。すると蜜分はショ糖の結晶と一緒となり、そのまま乾かして粉状にします。粗焚糖や赤糖は精製糖(グラニュー糖や上白糖)と比べてミネラルが多く含まれていて、それが風味にもなっています。また、甜菜糖はオリゴ糖を多く含みビフィズス菌の餌となり腸内環境を整えるのに役立ちます。また、甜菜糖は血糖値を上昇させる指標であるGI値は65と砂糖の中では一番低いです。砂糖の特徴をとらえて、うまく利用することが大切ですね。
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