感動…?仕上げまで一人で作った薯蕷饅頭

 新年初めてのAdvance II レッスンは、今が旬の丹波篠山産の山の芋を使った薯蕷饅頭を作りました。新型コロナ感染症のさらなる拡大を防ぐため緊急事態宣言が発令されましたが、今まで以上の徹底した感染予防対策を行い、少人数でレッスンを開催しました。

 今回使用した山の芋は、田中正一商店 から取り寄せた丹波篠山産の山の芋です。真っ白で粘りが強く香り高い、とても良い山の芋でした。今回のレッスンでは全員が生地つくりと包餡8個を行うことができるよう工程を工夫し、自分が作った8個の薯蕷饅頭を持ち帰っていただきました。

まずは、山の芋の写真から。少し尖った部分が芽の出るところで、黄色く固くアクが強い部分です。黒いごつごつした皮を剥くと真っ白できめ細かな山の芋が現れます。

さぁ、山の芋を擂って生地つくりが始まります。

ピンぼけの写真ですみません。8個の薯蕷饅頭を作るのに必要な山の芋は30gの擂りおろしです。擂りおろした山の芋を擂りこぎでグルグルと回し撹拌しながら空気を抱きこませ生地を作ります。たった30gの山の芋の擂りおろしですが、その粘りの強いこと、皆さん「息が切れる・・」「明日、筋肉痛になりそう・・」の声がちらほら。膨張剤を使わずに膨らませる薯蕷饅頭は、粘りの中に空気を抱き込ませることによって膨らみます。だから、皆さん頑張りました。砂糖を加え、真っ白な生地の元が出来上がりました。

続いて上用粉を入れ込み、生地の完成です。生地が出来上がったらすぐに包餡です。中餡には、白小豆粒餡、小豆こし餡、小豆粒餡を用意しました。

芋の粘りが強いと、蒸しあげたときに表面に亀裂が入ることがあるので今回は、薄い酢水を水霧の代わりに吹きかけ蒸し上げました。亀裂も入らず、ふっくらと真っ白なお饅頭が蒸しあがりました。仕上げは季節の焼印、梅、松、丑など、他にお慶びの席にふさわしい微笑む表情を映したえくぼ、お多福も作りました。下の写真は、お上手に作られたO先生作のものです。

私が東京製菓学校在籍中、山の芋を使って、擂りおろしから仕上げまでをひとりで行う授業があり、出来上がった薯蕷饅頭の美しく、その美味しさに感動したことを今でも覚えています。受講生の皆様にも、この感動を味わっていただきたいと企画しました。いかがでしたでしょうか?もし、同じように感動していただけたら嬉しく思います。

それにしても、しっとり、ふっくら、薫り高い美味しい薯蕷饅頭が出来上がりましたね。翌日も、しっとり、ふっくらでしたね。


日本料理教室”彩楽” さんのHPでご紹介いただきました。どうぞご覧ください。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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