手作りが美味しい!栗きんとんと栗おこわ

 10月のBasicレッスン、今が旬の「栗きんとん」と時短レシピの「栗おこわ」を作りました。先ずは「栗きんとん」から。熊本の球磨利平栗を蒸して丁寧に裏ごしした栗ペーストに砂糖を加え練り上げたものです。販売されている一般的な栗きんとんは日持ちを考慮し、栗ペーストに40%~45%程度の砂糖を加えて練り上げていますが、レッスンでは30%の砂糖を加え、唾液の分泌が少ないお年寄りにも食べやすいよう、そして味に影響しない〇〇を適量加え、甘味控えめで利平栗の濃厚な風味が際立ち、食した際のむせるような感を軽減した美味しい「栗きんとん」が仕上がりました。

 今回は、初めて絹布巾を使って栗きんとんを絞っていただきました。絹布巾の扱い方、絞り方、平板の使い方も学んでいただきました。

 続いて、「栗おこわ」です。今回は、もち米を水のつける時間が必要ない、蒸し時間も30分と、思い立ったらすぐにできる時短レシピです。その前に、もち米とうるち米のでんぷんの種類の違いと、吸水量の違いを学んでいただき、時短レシピの理論をご理解いただきました。湯につけた栗の皮むきから始まりました。

 続いて、洗って水をよく切ったもち米に調味液を全部吸水させ、上に栗をのせて30分間蒸し上げました。

栗おこわが美味しく出来上がりました。

 出来上がったおこわを前に、調味の勉強です。加えた食塩、薄口と濃口醤油の塩分量から、出来上がったおこわの塩分濃度を計算していただきました。結果は0.75%でした。人間の体液には0.9%の塩分が含まれていて、人間の体はその濃度で平衡が保たれるようにできているそうです。そんなことからか?、人は0.9~1%の塩分濃度の吸い物やみそ汁を好む人が圧倒的に多いそうです。出来上がったおこわを茶碗1杯110g食した時の食塩摂取量は、約0.8gとの結果でした。推奨される一日の塩分摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満だそうです。主食を濃い味付けにすると、あっという間に摂取量がオーバーしてしまうことから、今回の薄味が妥当であることをご理解していただきました。

 当教室では、製菓理論とともに、折に触れ調理科学も学んでいただきたいと思っています。皆さまが、何気なく行っている毎日の”おさんどん”にも調理科学に基づいて行われているものです。それに気づいて理解すると、違った面白い世界が見えてきますよ。こんなことを考えながら頑張っている”和菓子教室はな”です。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

0コメント

  • 1000 / 1000