講師の復帰と最後のBasicレッスン
講師の肩関節骨折により休講が続いておりましたが、この度5か月振りに講師が療養から復帰いたしました。療養中は皆様からの励ましのお声をたくさん頂戴し誠にありがとうございました。皆様からの励ましを糧に、こうしてレッスンの再開までたどり着くことができました。今回は、Basicコース最後のレッスン ですが、来月にはAdvanceコース1年間のレッスンが始まります。和菓子教室はなの各レッスンは前にもお知らせしました通り、療養の5か月間が後ろに延び2024年8月で終了いたします。残りの1年間を大切に、私の持てる力を出し切りたいと思っております。皆様、あと1年間どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は旬に作り冷凍しておいたそら豆餡を錦玉羹で包み、雨があがった木立を表現した「雨上がり」と風味豊かな加賀棒茶の「ほうじ茶プリン」を作りました。
まずは、「雨上がり」から。 中餡のそら豆餡は、茹でたそら豆をピューレ状にし砂糖を加え加熱し”そら豆ずんだ餡”を作り、それに白こし餡を加えつくりました。 そら豆の風味がしっかりと残り、とても美味しい”そら豆餡”が出来上がりました。 錦玉羹は、市販の一般的な粉寒天を使い、少し糸を引く位まで煮詰めるのですが、ご家庭で再現しやすいように煮詰め具合を上がり目方で示しました。 そら豆餡を透明な錦玉羹で包み茶巾絞りに仕上げ、透明な錦玉羹が瑞々しい雨上がりを、中のそら豆餡は木々の新緑、添えた大納言小豆の蜜煮のひと粒を松ぼっくりに見立て、これが良いアクセントになっています。そしてその大納言の添える位置によって、作った和菓子の景色が変わることも実感していただきました。 瑞々しく美味しい「雨上がり」の完成です。
続いて、「ほうじ茶プリン」。業務用寒天”大和”を使ったプリンです。普通の寒天は、濃度を濃くすると、曲げるとパキっと折れてしまい工芸菓子用には向かないものでしたが、伊那寒天(株)が開発した”大和”は、高粘弾性を持ち、工芸菓子にも容易に使える寒天です。この寒天”大和”の特徴を利用して、ある濃度で凝固させると、寒天でもない、ゼラチンでもない、今まで味わったことがない独特の口触りのプリンが出来上がります。卵を使っていないプリンですので加熱方法も簡単です。ほうじ茶の香りは、成城石井で購入することができる丸八製茶場の「献上 加賀棒茶」を使いました。芳醇な香りの絶品「ほうじ茶プリン」が出来上がりました。加賀棒茶でないとこの風味は出ないかも・・・です。
最後に、寒天の科学の学習です。寒天を煮溶かし固めると、立体的な網目構造を形成します。網目構造の中には水が充満していて、その水には結合水と自由水があること、自由水は網目構造の内と外を出たり入ったりすること、寒天菓子が離水する理由、離水を防ぐ方法、甘味を押さえる方法など学習しました。
0コメント