7月のBasicレッスンの様子

 7月のBasicレッスンが終了しました。求肥つなぎ練り切り製の「蛍の夕べ」と本葛製の「葛さくら」を作りました。求肥つなぎ練り切り餡は、6月のレッスンの復習です。白餡の水分を飛ばしてから倍割求肥を適量加えて作るのですが、皆さん、白餡に加える倍割求肥の計算もスイスイ・・・、白餡の水分の飛ばし加減、求肥の加え方、練り切り餡の冷まし方もしっかりと習得されました。出来上がった各班の練り切り餡量を比較して、水分がどのくらい飛んだかも理解していただきました。これで、自分が必要とする量の練り切り餡をご自宅でも作ることができますね。また、倍割求肥は白玉粉に水と砂糖を加えて作るのですが、割(わり)というのは、和菓子の業界用語で砂糖という意味です。倍割とは砂糖が白玉粉の倍(2倍)入っているということです。こんなことも勉強しましたね。「蛍の夕べ」の成形は、練り切り餡の色付け法、3部ぼかしという技術で夜空を表現、そして包餡、もみ上げと、少し難しい技術のオンパレードで大変だったでしょうが、繰り返し作ることによって上手にできるようになりますから、ご安心を・・・。

 もう一つは、本葛製の「葛さくら」。今回は、本返し法という鍋の中で葛をすべてα化させる方法でつくりました。透明になるまで、焦がさないようしかりと火を通し練り上げる方法です。本返し法の返しという言葉も、和菓子の業界用語でα化するという意味で、今月は、倍割求肥と葛の本返し法の2つの専門用語を勉強しましたね。葛の包餡は、練り切りとは違う方法ですが葛が熱いうちですと割と簡単に包めますが、葛が冷めると途端に包みにくくなります。湯せん等冷めない工夫が必要ですね。桜の青葉に包んで涼しげな「葛さくら」の完成です。


手前に草むら、その向こうの夜空に舞う蛍、今の季節にぴったりですね。

3部ぼかし、この上に白い練り切りで蓋をして包餡、もみ上げと進み、表面は白い練り切りから夜空がうっすらと透けて見えます。

続いて、葛の本返しです。透明感が出るまでしっかりと火を通し練り上げます。

葛の包餡

涼しげな葛さくらの完成です。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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