10月のAdvance IIレッスンの様子
10月のAdvance IIレッスンは、”栗の渋皮煮”と”秋の薯蕷饅頭”をつくりました。渋皮煮は、熊本球磨の粒選りの利平栗を使い、重曹を使わない方法で渋抜きを行いました。重曹(炭酸水素ナトリウム)は人体に無害で、あく抜きや早く軟らかく煮上げたい時によく使われますが素材の風味を損ねることが多々あることから、今回は重曹を使わない方法で行いました。渋皮を傷つけないで鬼皮を剥く方法、重曹を使わない渋抜き法、渋が抜けたかを確認する方法、甘味の入れ方などを学んでいただきました。
ふっくらと煮上がりツヤツヤ、ぴっかぴっかの渋皮煮。前日に仕上げた渋皮煮を瓶に詰めたものは、お持ち帰り用です。
続いては、”秋の薯蕷饅頭”作りです。Advanceコースでは、生の大和芋の擂りおろしから作りましたが、今回は、味わいや仕上がり具合の違いを学ぶために、F.D(フリーズドライ)山の芋パウダーを使って作りました。まずは、山の芋パウダーに水を加えて摺り芋状にしてから砂糖を加え、倍割芋としました。
続いて、粉入れ、包餡、色付けと続き蒸し上げました。粉入れが終わったら20~30分後には蒸し始めなければふっくらと仕上がりません。これは、生の芋でも同様であることは以前のレッスンでもお話したとおりです。薯蕷饅頭は、茶席菓子として使われる上生菓子に分類され、他の饅頭の類とは違い格の高い饅頭です。色々な方法で季節を表現します。今回は、焼印に合わせた色付けで秋の風情を楽しみました。すすきの焼印には月を表す黄色、トンボは夕焼けのだいだい色、稲穂も黄色、ウサギは耳の焼印(赤い目はあとから色付け)、織部は緑色など、お好きな色付けを楽しんでいただきました。
蒸し上がった饅頭の荒熱が取れたら、色付けに合わせて焼印を捺します。また、焼印を加熱するバーナーとステンレスの枠を合羽橋のアサミ株式会社で購入したものをご紹介しました。一般のバーナーは、上に向けて使用はできませんがこのバーナーは完全逆さ加熱が可能で、焼印加熱用のステンレス枠がセットになって販売しているものです。沢山焼印を使用する際には、ガス口が無くてもカセットボンベで使用でき、とても使い勝手が良いものでした。
焼印を捺した薯蕷饅頭は、茶席菓子として使う際には懐紙に饅頭の底が張り付かないように、底を鉄のフライパンでサッと空焼きすることが必要です。出来上がった薯蕷饅頭、受講生の皆様は、「生の大和芋を擂ってつくった方が美味しいわ!」が圧倒的な意見でした。私もそう思います。ただ、生の芋はその時々で粘りやコシの強さなどが違うため、コシをどこまで切ったら良いか等なかなか難しいものです。何回も作って、是非自分のものにして下さい。
日本料理教室”彩楽”のHPでご紹介いただきました。どうぞ、ご覧ください。
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