桜が満開!さくら餅のレッスン

 桜が満開!きっと来週には散ってしまって葉桜になっているであろう、うららかな週末の一日、さくら餅を作る1 dayレッスンが行われました。今回は、道明寺桜餅にスポットをあてて、もち米から作る”道明寺さくら餅”と道明寺粉から作る”夜桜”を作りました。

 まず、道明寺粉は、大阪・藤井寺市の「蓮土山 道明寺」で作られたものが始まりとされ、その起源は、菅原道真公の時代までさかのぼるそうです。道明寺粉は、蒸したもち米を干した保存食で、湯を注ぐことによって飯として食すことができることから、戦場での携帯食として重用されたそうです。大昔の日本で、いまでいうインスタントご飯が存在していたとは驚きですね!レッスンでは、生のもち米をアルファ化させた後、乾燥させて砕いた道明寺粉と生のもち米との違い、澱粉のアルファ化・ベータ化の違いを学習していただきました。

 

 最初に、浸漬した生のもち米を砕き加熱しアルファ化したもち米から作った”道明寺さくら餅”を作りました。米粒がはっきりとわかりますよね。なかなかの食べ応えです。

 ところで皆さん、桜の葉の塩漬け、私たちが桜の香りとして認識しているのはこの匂いですよね。”クマリン”という芳香物質で、桜が自分の身を守るために持っている物質です。”クマリン”は、人に対して抗酸化作用、血液サラサラ作用、殺菌作用など有用な働きをする物質でもありますが、肝毒性も併せ持っています。よほど大量に食べない限り、心配はいらないのですが、知っていることは食品を扱う身としては大切なことであると思っています。こんなこともレッスンの合間に話しながら、実習は進みます。


 続いて、道明寺粉から作った”夜桜”。色付けしない道明寺粉で包んだ小豆子こし餡が透けて夜の闇のようです。”夜桜”が出来上がりました。桜葉を巻いたりしていなので、小豆こし餡に桜葉の塩漬けから香りを抽出し風味付けをしました。材料さえそろえば、あっという間にできあがります。形は変われど、道明寺粉からも生のもち米からも同数作ることができるレシピですので、ご家庭ではお好みで作ってください。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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