餡マグマの洗礼・・・?

 7月のAdvanceレッスンは、「小豆から炊くこし餡作り」「麩まんじゅう」でした。

「小豆こし餡作り」は、受講生の期待大のレッスンの一つですが、いざレッスンを行うとその工程の多さと、餡炊きの際に熱い餡がところかまわず飛び散り、火傷と汚れたキッチンの掃除に恐れをなし、ご家庭で実践される方はごく僅か?・・・皆無かな?                                  講師としては、どうしたものかと悶々としておりますゥ・・・。🤔

 さぁ、レッスンが始まりました。渋きり3回、直煮法で小豆を軟らかく煮上げました。この方法は、Basicレッスンで行った小豆粒餡炊きと同様です。小豆が軟らかく煮えたら、呉の分離、餡炊きと進みます。

まずは、餡マグマの洗礼から。レッスンでは、火傷を防ぐため長袖、軍手、サングラス、マスクなどで重装備で行いました。マグマは餡炊きが進み煮詰まると始まり、10~15分間続きます。暑い最中ですので、餡マグマが始まる直前に長袖を羽織り、軍手をして臨みます。


アッチ、チー キャー😆    餡マグマの洗礼・・・🥵

 実際には、餡マグマの前に軟らかく煮えた小豆から呉を分離します。呉の分離は、目の大きさが異なる3種の濾し器を使い、水の中で行います。水の中で行うのは呉を傷めず分離するためです。3回濾す間に呉は、様々な不純物が取り除かれて、餡の澱粉がタンパク質の膜に包まれた「餡粒子」として分離されます。生餡と呼ばれているものです。これに砂糖を加えて炊き上げたものがこし餡です。今回加えた砂糖は、岡常製糖K.Kの鬼ザラ糖です。餡炊きは、「常に強火でへら数は少なく」が鉄則です。理由は、餡粒子を壊さないためです。餡粒子が壊れて澱粉が出てきた餡は粘って美味しくありません。上手に炊き上げた餡は口にした時さらっと溶けるような食感で決して粘りません。ツヤツヤの美味しい餡が炊きあがりました。

 炊きあがった餡は、冷ましてから出来上がり重量を計り、加えた砂糖量から糖度(重量%)を計算し、市販の餡と糖度の比較を試みました。さらに、食べ比べをしてその違いを実感していただきました。その食感の違いはなぜ起こるのかを学んでいただきました。

 甘い餡が嫌いだからと、むやみに砂糖量を減らしても美味しい餡はできません。その理由をご理解いただけたと思います。

 続いて、「麩まんじゅう」作りです。材料の麩(グルテン)は、国産小麦粉から取ったグルテン粉100%を使いました。グルテンは、独特なにおいがあり、それをマスクするため青のり粉および青柚子を加え、中餡も小豆こし餡を柚子餡の2種類を使いました。

 茹で上がった麩まんじゅうは、氷水につけて冷やし、笹でくるんで出来あがり。竹かごに入れてラッピングも楽しんでいただきました。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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