小豆粒餡炊きの理論と豆大福つくり

 9月のBasicレッスンが終了しました。今回は、生の小豆から炊く粒餡と豆大福のレッスンです。受講生の皆様が炊いた粒餡は、お一人300g位づつお持ち帰り、豆大福も生地つくりから包餡、仕上げまでお一人12個を仕上げ、お持ち帰りいただきました。受講生の皆様は大変忙しい時間を過ごされたかと思いますが、充実した内容であったかと思っています。和菓子教室はなでは、このように大盤振る舞いのレッスンが年2~3回ございます。先月8月のレッスンに続き二度目の大盤振る舞いレッスンです。次は12月です。どうぞお楽しみに。

 先ずは、小豆粒餡炊きから。生の小豆はどこから水を吸収すると思いますか?こんな会話をしながら1回目の渋切りが始まり、3回目の渋切りが終わる頃には、小豆一粒一粒がふっくらと大きくなりました。渋切りとは、小豆の表皮にある渋み成分を切る(取り除く)ことであり、柿の渋味や緑茶の渋味成分と同じカテキンのことです。ご存知のように、カテキンはポリフェノールの一種で体に良い成分ですよね。小豆の渋味(カテキン)は、小豆独特の風味の一つでもありますが、雑味でもあることから今回は、3回の渋切りを行い軟らかく煮上げました。特にあんこ好きの方向けには、渋切りを1回で済ませることもありますが、今回は3回の渋切りを行い、すっきりした粒餡に仕上げました。実習しながら小豆を炊く際の理論と方法を習得していただき、軟らかく煮上げた後の砂糖の加え方、煮詰め方も習得していただきました。今回使用した砂糖は、業務用の鬼ザラ糖を使いましたが、上白糖、グラニュー糖の違いも学習していただきました。

 渋切り2回目と3回目の小豆の違いの写真です。2回目に皺が寄っていますが、3回目には十分に水を吸収し、ふっくらとなっているのが分かると思います。また、なぜ皺が寄るのかも考えて頂きました。

粒餡が美味しそうに煮上がりました。

続いて、豆大福つくりです。始めに赤えんどう豆の煮方、塩味の付け方等をでお見せしました。次に生地を作り、塩豆が均等に大福に入る方法をお伝えし、先に示した粒餡と同様にして講師が作ったものを使い包餡していただきました。皆さん、大きさも大体そろって、お一人12個の豆大福が仕上がりました。

和菓子教室はな

東京製菓専門学校和菓子専科で学び、製菓理論を得意とする講師による和菓子教室です。伝統的な手法の和菓子から、それを踏まえた新しい手法の和菓子および意匠を、そして、和菓子職人さんが長い時間をかけて習得した技術である製餡や生地つくりを、製菓理論に基づいた方法で、どなたでもご家庭で失敗なく簡単に再現することができる和菓子作りをお伝えする教室です。

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